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クラシックの演奏会に行ったことがない人が、初めて演奏会に行くと何を思うのか? 第1回

 

社員のSさんがクラシックの演奏会に行ったことがない、というのでチケットをプレゼントしてみました。
しかし、なんとバッハの平均律1巻全曲という、初めてにしてははいささかキツいプログラム…終演後、果たしてSさんは何を思うのか!

今回Sさんが聴きに行ったコンサートは…

~ファツィオリで弾くコンサートシリーズ~
アンジェラ・ヒューイット Odyssey5
平均律クラヴィーア曲集 第一巻

初めてのリサイタル

今回、クラシックのリサイタルというものに初めて脚を運ぶこととなった。

「リサイタルっていったいどういうものなのなんだろう?」

「どう楽しむものなのなんだろう?」

いわゆるリサイタルというものに行ったことがなかったので、まずはそこからのスタート。

素人の私はともかくファツィオリというピアノがどのようなピアノで、平均律クラヴィーア曲集第一巻とはどのような音楽なのか、そしてアンジェラ・ヒューイットという人がどのような人間なのか、気になったことをあらかじめ調べておくことにした。

そして迎えた当日。

 

会場は紀尾井ホール。会場時間に合わせて向かうと、ホール入り口には既にリサイタルを聴きにきたであろう観客たちが続々と集まっていた。

さっそく場内へ入ると客席はほぼ満席。そしてステージにはファツィオリのピアノが悠然と身を構えている。
客層はだいたい40代から60代くらいの人たちが多く、男女半々くらい。中には音大生らしき、20代くらいの女性二人組みもいたりした。

そして間もなく、時間になり客席が暗くなると、お待ちかねのヒューイット氏がステージに現れた。
大きな拍手と共に演奏は始まった。

出だしを聴いてすぐ

「ユーチューブで聴いたのとおんなじだ。」

率直な感想。

渡されたプログラムを見ながら、
1番 ハ長調 BWV846
2番 ハ短調 BWV847
3番 嬰ハ長調 BWV848…

と順々と演奏が進んでいく。
ピアノの音が心地いいので、演奏が進むにつれて眠りに誘われる人も増えてくる。

12番 ヘ短調 BWV857が終わったところで20分の休憩を挟み、後半へと移った。

楽しみにしていたファツィオリの音は、(斬新なデザイン性の割に)癖がなくてシンプルな印象だった。
事前に読んだインタビュー誌でヒューイット氏は、ファツィオリについて「音色が非常に多彩で、コントロールする術を知らなければならない。」と語っていたこともあり、
「きっと弾く人によってまた音色が違うのだろうな」と想像できた。

リセットタイム⁉

時々、ヒューイット氏が水を飲むのだが、その度に観客たちが咳払いをしたり、姿勢を直したりする。
演奏中は皆彼女の演奏に集中し、物音を立てて演奏の邪魔をするまいと、必要以上に動くことができないので、我に返るその瞬間、今のうちにと会場内が「ザワザワッ」とするのがなんともいえず、面白い場面だった。

当代最高のバッハ弾き

そして印象的だったのは各曲の最後の音。
それに命をかけているのではないかと言わんばかりの、研ぎ澄まされた音がホールの空気を伝わって耳に届く。

曲が終わり、音の余韻まで美しく、心地いいと感じたのは初めてで、それがユーチューブで聴いたものとは明らかに違うところだった。

ヒューイット氏の父親はオルガニスト、母親はピアニストという音楽一家で育ち、3歳でピアノを始め4歳で聴衆を前に演奏し、わずか5歳で最初の奨学金を得たそうだ。17歳頃から国際コンクールに出場するようになり、1985年のトロント国際バッハ・ピアノ・コンクールで見事優勝。以降、レコードレーベルと契約を結び、バッハ作品のレコーディングプロジェクトが始まったことでより多くの人々に演奏を届けられるようになり、「バッハ弾き」といわれるようになったそう。

インタビュー誌でヒューイット氏は

「バッハ以上の音楽なんて考えられない。バッハの音楽は音楽的素養と技術をたいへん高いレベルで求めるものだ。」と語っている。

バッハを知らない私には、曲を聴いてそれがたいへんな技術を要するものだとは正直分からないのだが、彼女はそれを、一粒一粒の音を正確に、音の余韻まで美しく弾くのだから、やはり「当代最高のバッハ弾き」と賞賛される存在なのであろうと、素人なりに感じた。

リサイタルの見どころとは

全ての演奏が終わり、盛大な拍手が会場を包んだ。
ヒューイット氏が一礼し、ステージを降りても拍手は鳴り止まず、2回、3回と再びステージに上がり観客に会釈した。

場外へ出ると、ヒューイット氏のサインに並ぶ長蛇の列ができていた。改めて、根強いファンがいることがわかる。

余韻の覚めやらぬ会場をあとに、私の初めてのリサイタルは終了した。

演奏者が水を飲む隙に場内がザワザワすること。
ホールに響く音の余韻がとても美しいこと。

リサイタルの見どころを見つけた気がした。

Sさんについて
音楽経験は子供の頃のピアノ教室。
一般の大学、就職と進んだのち、現在は音楽関係の会社員。
趣味は、旅行とご当地ソフトクリームを食べること。

初めてのリサイタル、Sさん独自の見どころを発見できたようです。『YouTubeとおんなじで、違う』というライブならではの体験、皆さんも是非リサイタルやコンサートに足を運んで見ませんか?またSさんにコンサートレポートをしてもらう機会があれば、シンフォニーなど大編成なものを聴いてもらえたら良いな、と思っています。次回をお楽しみに!

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